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つよき人。

甘楽で、いつもお蚕上げを手伝わせてもらっています。

時期が来たお蚕さんを、繭を作るための部屋『まぶし』にあげてやるのです。

おととい電話して26日が休みなので行こうと思いますと伝えると、『26日だと、まだ早いかねえ??』

天候にもよって、あがるタイミングが色々なのだそうです。

でも、あがっていてもあがってなくても伺ってみます、とお伝えし、

『今日は桑くれお手伝いできたらいいかなあ』と、のほほんと車を運転して着いたら、

お蚕さんのシートが庭いっぱい。

見事に上がりはじめていました。

 

『フセさん、よかった!』

こんな非力な私なのに、頼みにされると とてもうれしいです。がんばろう。

ひたすらお蚕さんを振るって、集めてゆきます。

時々、アメリカシロヒトリが桑についています。

おばあさんが言いました。

『アメヒト、つぶしてくんない!』

『つぶす。。。、どう、どうやって』

『指で』

 

ゆっ、 ゆびで、、、!?

さらに、刺されるとビリビリ痛いデンキムシが桑に!!

なのに、ああ、おばあさんは、またもやシュッと手を伸ばすではないですか!

『ああ、、ダメダメエーーーー!』

しかし、それもビシイっ、ぷちっと。

『んー?』と平然な様子のおばあさん。

『い、痛くないんですか?デンキムシ』

『やーだ、デンキムシっていうんかい!知らなかったよ!あはは』

つよい。強すぎる。

戦中戦後を生きてきた女性は、ほんとうに、つよい。

わたしごときが百人束になってがんばっても、かなわないと、思うのです。