ネズミと夫と権太夫と【その2】

その時私は、ネコという選択肢がなかった。

いうことは聞かないし、毛は飛ぶし、建具はボロボロにするし、商品とか、置けなくなるじゃないか。

なので、蛇かフクロウをケージで飼うことを考えていたのだが、

どちらのエサも、冷凍ラットを与えるというハードルの高さ、、、

また個体そのものの価格の高さ、、、

そして古民家暮らしをする人から

『我が家は蛇もいるけどネズミもいるよ!』という声を聞いた時、

またyoutubeで『フクロウの声にも動じないネズミの動画』を見た時、

それに反し古民家なのに

『うちは猫がいるからネズミは大丈夫!』という圧倒的な声の多さに、心を決めた。

ネズミの天敵は、ネコだ。

早速ネコ探しがはじまった。

と思ったら知人のFBでネコの里親募集しているじゃないか。

 

とても可愛こちゃんだったのだが、夫は言った。

『この子じゃない』

遠方だったし、条件的に難しいかな、ということもあって、泣く泣く見送りに。

こんな可愛こちゃんは、もうきっといないよ、、、とがっかりしていた わずか2日後、

蚕絲館さんから

『いま赤城の知人の家なんですけど、ネコがいついて困るというので、いるなら、これから連れて帰ります』と連絡が。

 

いま。

いま、この時、決断しろと。

ジャストナウ。

 

ぱっと見、目つきの悪いネコだった。

『人懐こい子です』とメッセージが添えられていたが、にわかに信じられない感じだった。

だが、夫に写真を見せると、

『いいんじゃない?』

・・・何か、通じるものがあったらしい。

 

その時、歴史が動いた。

『その子、もらいます』

 

その子は、本当に人懐こい、いい子ちゃんだった。

トンカラに到着すると、まるで我が家のようにくつろぎ始めた。

夫が勝手に『ごん太』と呼んでいる。にゃあと答えている。

かっこいい名前を模索中だったのに、ごん太になってしまった。。。

せめて正式名称は、『権太夫』。

 

そしてごん太(権太夫)が来てからというものの、ネズミに怯えることがなくなった。

 

 

(↑ふるさと学習館編纂『養蚕の神々』より)

 

昔の人が、ネコを祀っちゃう気持ちがわかった。

そもそも『古民家は通気がよい』と言うが、土の上に直接木の家を建てているのだから、通気をよくしないと

建物も人も病気になってしまう。

そして通気口をあちこちに確保しておくということは、小動物に侵入されやすい環境なのだ。

 

 

 

日光東照宮には『眠り猫』がいる。

ネコが寝ている風景は、なんだか平和だ。

彼のおかげで綿を干しておける。

やっと心穏やかな日々がかえってきた。

 

と、いうわけで、古民家のネズミ対策には、ネコ。

というところに行き着いたのでした。