2017年晩秋蚕 養蚕ワークショップ その6 お蚕上げ

繭を作るときが近づくと、お蚕さんの体は透きとおってきます。

こういうふうになったお蚕さんを『熟蚕(じゅくさん)』と言ったり『ずう』と呼んだりします。

体の中が、絹になる物質で満たされた状態になります。

お蚕上げの時、うっかり踏むと、中からマロニーちゃんみたいなものが出てきます。それが、絹のもと。

今回は黄色い繭をつくる品種なので、マロニーちゃんも黄色です。

今日は、時が満ちたお蚕さんたちを、繭を作るための部屋、『簇(まぶし)』にうつしてやります。

『上簇(じょうぞく)』と言ったり、『お蚕上げ』と言ったりします。

 

『一斉上簇でーす!』という平石先生の宣言。

満漢全席のような、、、それはもう、お祭り騒ぎのはじまりです。

いや、まじめに作業なんですけど。

もたもたしていると、みな糸を吐き始めて大変な事になります。

 

飼育台の柵が取り払われました。

これで作業がしやすくなります。

 

お蚕さんがくっついた桑の枝を『条払い機』でふるい、

 

お蚕さんを振るい落して集めてゆきます。

 

春蚕の回では、私は写真を撮る側に専念しましたが、今回は大変そうだったので、ちょっとだけお手伝い。柵に残ったお蚕さんたちを拾い集めてゆきます。

お蚕さんを拾う『カルトン』というお皿。

これは作業をする上で軽いものがよいようです。木の皿だったり、和紙を張り重ね漆を塗ったものだったり。カルトンひとつだけとっても養蚕道具はいろんな工夫が感じられて面白いです。

 

黄色い繭をつくる『ぐんま黄金』のお蚕さんたちは、熟蚕の状態では体が黄色く透けています。

 

一回の簇に振り分ける量を計測。

 

モロモロモロ。。。、と簇に振り分けます。

 

簇です。

椅子取りゲームのように、自分の部屋を探すお蚕さん。

 

簇が回転するように吊るします。

これが回転簇(かいてんまぶし)。

お蚕さんは、上に登る習性があります。この習性を活かし、上に登ったお蚕さんの重みで簇がクルンとまわります。

すると空き部屋が上にくるので、部屋には入れていないお蚕さんたちはまた上にのぼり、空き部屋に収まるという仕組み。

 

午後9時半になりました。

朝9時から、間に休憩は入れていますが、長丁場です。。。

繭かきは10/4の予定です。

 

本当にご参加されたみなさま、お疲れ様でした!