10日に卵の状態でやってきたお蚕さんたち、すっかり大きくなっています。
今は『眠(みん)』と呼ばれる状態で動きません。
脱皮の前後、頭をもたげてじっとしています。もう起き始めたお蚕さんたちもいます。
大きさは、こんなくらい。
脱皮をして脱ぎ捨てた皮があちこちに見えます。
あけたら4齢です。
お蚕さんの上から石灰をまぶします。
皆清潔に保つための白衣を着ているので、みな給食室の人のよう。。。
粉ふるいが何かの調理みたいです^^
石灰を撒くのは雑菌の繁殖を抑えるためと、成長をそろえるため。
先に起きてしまったお蚕さんたちがモリモリ桑を食べて先に大きくなってしまわないよう、
石灰を撒くことで桑をしおれさせるのです。
ばい菌やウイルスには弱いくせに、石灰だらけになっても平然としています。
作業のあいまに、座学も。
蚕絲館さんでは、群馬のみならず日本各地の養蚕や製糸の現場を取材し記録してきました。
養蚕や製糸の職業は後継者がおらず、今ではやめてしまった所もあります。
見たくても、もう見られない、また一般では立ち入ることができない、とても貴重な仕事の映像です。
その映像を、現場を取材してきた蚕絲館さんのレクチャーとともに見ることができます。
近い将来、糸に関する種々の仕事が絶えてしまった時、復活させるのは容易ではないでしょう。
でも取材記録や映像があることで、次の時代につなげることができるかもしれません。
二階では、蔟(まぶし)の組み立てを行いました。
蔟は、お蚕さんが繭をつくるための集合住宅のようなもの。
毎回組み立てるのです。
養蚕が始まる前や、または眠の合間にこういった仕事をしておきます。
組まれた蔟は、このような形で吊るされます。
お蚕さんの重みで蔟が回転する、『回転蔟』です。お蚕さんが上に登る習性を利用して作られました。
上に登ったお蚕さんの重みで蔟が回転すると、空き部屋が上にきます。
部屋に入れなかったお蚕さんたちは、また登って空き部屋に入るという仕組みです。
この蔟は、和紙でできているそう。使用しない時はおりたためるようになっています。
ただ、現在ではもう作られていません。
若い人が養蚕をしたいと思っても、道具が手に入らないという実情があります。
回転蔟の前の時代は、藁を使って作っておりました。
藁を手で幾重にも折りたたむようにして、その中に繭を作らせていました。
その折りたたむ道具も、次第にハイテク化(・・・というのかな?)してゆきました。
上の写真は、どれも藁蔟をつくる道具達です。
どのように作るのか、東さんが実演!
藁を折るだけだった藁蔟は、一回使ったら使い捨てでした。
繭の収穫もちょっと大変だったそう。
そこで、もっと使いやすい形に進化してゆきました。
この蔟は藁で編まれていて、蛇腹状になっています。繭をジャーっと収穫でき、何回か使うことができます。
蚕絲館さんでも使っています。
養蚕をやりたいという方で、道具の調達が困難な方も多いと思います。
大量に作らない、個人で行う場合は、こんな藁蔟の方が場所もとらず、良いかもしれませんね。
養蚕ワークショップは6/13まで続きます。
途中からの参加も受け付けておりますよー。
お申込みは
TEL:027−368−2370 e-mail:mail@ton-cara.com
ton-caraフセまで!
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