そのひとにあった時、風を感じた。
そのひととは、ton-caraの家主、木暮さんだ。
豪雪地帯の限界集落に暮らし、レトロな茅葺のおうちにすみ、棚田で機械や農薬をつかわずに米をつくったり、屋根の萱をふいたりして日々を送っている。
ton-caraも隙間風がヒューヒューはいる古民家で、ここが木暮さんの実家なのだけれど、木暮さんは、もっと限界が好きなのかもしれない。
むかしは世界中をかけまわったカメラマンだったと聞いている。
でもバイクでその村を訪れたら、そこがよくなって住み着いてしまったのだそう。
そんな木暮さんや、そこに生きる友達たちの日々を撮った映画、『風の波紋』。
映画を観たのは、ton-caraをはじめる直前のことだった。
涙があふれたのは、どうしてだったろう。
人間が生きるのに、ほんとうに必要なものって、なんだろう、と、いつもどこかで漠然と感じていた。
わたしは何をもとめ、何を探しながら自分の終着点にたどり着くんだろうって。
仕事で築き上げてきたものを手放し、ここを借りると決まった二年前、ホコリとネズミの糞と、片付けなければならないものたちの山の中。
確かな筋道など何も見えない、
思わず木暮さんに、愚痴をこぼしたことがある。
『わたし自身は、何のプロでもない。わたしの人生って、全部ままごとなのかもしれない』
木暮さんは言った
『いいじゃない、ままごとでも。俺だってそうだもん』
映画の中、木暮さんは 里山での暮らしが ままごとのようだと言っていた。
そこが自分のキャンパスだと。
『自分は、どこへ向かおうとしているんだろう』
ton-caraを訪れてくれた人たちから、そんな言葉を聞くことがある。
心のすすむ方向に真摯に向かう人に、観てもらいたいと思った。それから日々に迷いを持つ人、人間の原風景に出会いたい人に。
監督の小林さんも、深い喪失感を抱えながらこの村を訪れたのだそう。
里山の厳しい自然と美しい四季の営みの中、映画を撮りながら自分が癒されてゆくのを感じたと言ってた、その1コマ1コマに共鳴して、ダーダー泣いてしまったのかもしれない。
私自身も含め、この社会の中で生きにくいと感じている人は、ぼちぼちいる。
木暮さんもそうだったのかな、と言葉の端々から思ってしまうのだけれど、
この家で上映したら、木暮さんのお父さんやお母さん(の魂)が、『よくわからないけど、シゲオはこんな風に生きてるのか』って、知ってもらえるんじゃないかな、と思って、この映画の上映会を企画しました。
木暮さんや監督さんたちも駆けつけてくれ、夜はみんなで鍋、翌日は木暮さんのお米で餅つきというお祭り企画^^
1/19の午前中には日和スタイルさんの『はくセーターworkshop』も開催です!
餅と映画と冬の祭り
【1/19(土)】
① はくセーターworkshop
AM 10:00~ <日和スタイル> 参加費:3,000円 定員:15名 >>詳細
② 『風の波紋』昼の部上映
PM 02:30~ 参加費:1,500円<お茶付き> 定員:15名
③ 『風の波紋』夕方の部上映
PM 05:00~ 終了次第、鍋パーティ 参加費:2,500円<鍋パーティ付き> 定員:15名
※昼の部を観て鍋だけ参加の場合は鍋代金としてプラス1,000円
【1/20(日)】
④ 木暮さんが棚田で育てた米をみんなでついて餅をたべる会
AM 9:00~ 餅つき準備
PM 11:00前後〜 餅つき 参加費:大人1,000円 子供500円
申し込みとお問合せ:TEL027−368−2370 e-ail:mail@ton-cara.com ton-cara布施
①から④、参加したいところをご連絡ください。
はくセーターworkshop、映画②の前乗りの方、カレーも用意できますのでご希望の方はその旨お伝えください。
出店協力
服のお貸し屋 「可愛い服には旅をさせよ」の掛け声に集まった、お気に入りだけれど着ていない箪笥の肥やし服をお預かりし、レンタル代を持ち主さんとシェアしています。この貸服を中心に、衣の気持ちのいい循環を目指し、染め直し、特殊クリーニング、古着リメイクのワークショップの開催、お直し、古着物のオーダーリメイク(ワンピース/アロハシャツ)、他オーダーメイドのご相談も承っています。
旅好きな村長と旅するものづくり屋toiによるユニット。浅草にある昭和初期の建物ライオンビル を拠点にイベントを開催するほか、各地のイベントに出店したり、デザインワークなど活動は多岐にわたる。近年は馬喰町バンドやthe sun、イマジン盆踊り部のミュージックビデオを手がける。狙うは「情熱大陸」出演。
当日は自家製コーラがある?かも。
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